【14:40】21F来賓室

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俺は一気に説明して、怒られるのを覚悟した。 「そうだったのか。 すまなかったな。 そこまで不躾だと思わず任せてしまった。 代わりに謝るから許してやってくれ。」 予想外に謝られてしまった。 「やめて下さい。謝らないで下さい。 自分も悪いんです。 すみませんでした。」 俺は慌てて、さっきよりも深く頭を下げた。 「そうか、それじゃまだ協力してくれるな」 「はい、もちろんです。」 「相手の挑発に熱くなるなんて、まだまだ若いな。」 佐藤常務は笑顔で応えてくれた。 心の中でもう一度謝った。 「細野、痛がってるヒマは無いぞ。 彼の話しから何か案はあるか?」 佐藤常務は痛がっている事は無視して聞いた。 「いや、あのぉ」 「どうなんだ。 もうあまり時間が無いぞ。」 周りに聞こえない位の声で聞いた。 “時間が無い?” 俺が部屋に入って10分位しか経っていない。 ゆっくり脱出方法を考えてからでもいいはずだが、焦った感じだ。 「江本が死んだ。 もうここにはいれない。 どこに行けばいい?」 思わぬ言葉が聞こえた。
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