47人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいじゃない。幼馴染みなんだしぃ~~。」
「嫌よ!」
「どうして?」
百合子は可愛らしく首をかしげて問うが、腹の中は真っ黒だ。
「どうしてって…、嫌だから…そ、それだけよ!!」
間違いなく、百合子は見抜いてる。
「ええ~、でも変だよぉ~。」
私が期待してしまうことを。
ブーブーブー…
「…?」
ポケットに入れていた携帯がブルった。
「俺のメアドと携番、送ったから登録ちゃんとしとけよ?」
満面の笑みで郎は言う。
何がそんなに嬉しいんだか…。
ほんっと、バカ…
受信したメールを確認すると…
“十萌、太った???”
「百合、メアドと携番変えたら、また教えるわね。」
「えぇ~、変えちゃうのぉ?」
「嘘ぉぉん!!!」
けれど、一番の馬鹿は私だ。
きっと…、今夜から私は、携帯が気になって仕方ない。
朗からのメール…、くるはずのないものを待っているに違いない。
最初のコメントを投稿しよう!