はるのとびら

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「ていっ!」 賑やかな昼休みの教室。 幼稚な男の声が、教室に響いた。 「トランプ!ババ抜きしようぜっ!十萌!」 万年お祭り男…。 秋村 朗(ロウ)に投げ付けられたトランプのババが、はらはらと私の頭から落ちていった。 「すっごぉ~い!秋村くん、コントロールいいね!」 私の隣でお弁当を食べていた友人、天野百合子が無邪気に言った。 コントロール…。 奴が私に、ババを投げ付けた理由なんて丸分かり。 「でしょ?百合ちゃん。」 百合子が目当て。 …っざけんな! 邪念なババなんか、こうしてくれる…!!! グチャッ!! 「のぉああぁぁあぁぁあ!!!!!!」 「ババ、返すわ。」 「か、か、返すって、おまえ…!! 馬鹿か!?」 「はぁ!?」 「ババが、ぐちゃぐちゃになったら目立ってババ抜きとかできないじゃん!」 「‥‥‥。」 馬鹿は、おまえだ。
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