はるのとびら

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「十萌は、それ以上喋るな!ってか、忘れろ!!!」 あのおかしな光景を忘れろ…と、言うほうが無理だ。 おませな幼稚園児・朗は、人気者のみき先生に恋をして、そして… 『ぼくが大人になったら、結婚してください!』 小さな小さな恋のメロディー。 それを壊す酷い大人は幼稚園という子供の国にはいない。 『いいわよ。』 その一言に安心した、馬鹿は―――… 「なんだよ!十萌なんか、ブロックで墓地作って一人で遊んでたじゃんかぁ!!」 「漏らしちゃうよりマシ。」 私たちがケンカをしていても誰も止めない。 「染谷、止めたほうがよくねぇ?」 「とばっちり食らうの嫌だ。大森が行けよ。骨は拾ってやる。」 …と、こんな感じで流される。 教室にいる他の生徒たちもコントを観ている感覚だ。 「いい加減にするんだぴょぉ――ん!!」 ドカッ!! ドカッ!! 「うおっ!」 「キャッ!」 可愛く現れた百合子は、私たちにグーパンチのプレゼントした。
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