はるのとびら

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「‥‥ッ」 「…百合‥‥」 私は左肩。 朗は右肩。 「あたしのロケットパンチは最強だぞ☆」 可愛らしく百合子は言うが、痛さは可愛いものではない…。 「駄目じゃなぁ~い!二人とも!進学先は、別々なんだよ?もうすぐ、離れ離れになっちゃうんだから仲良くしなくちゃ!」 別にいい… ちょうど良い機会だ。 「市川さん、女子大だったっけ?」 「ええ。女子短大よ。」 「それじゃあ、朗は寂しいよなぁ。」 どうして、そうゆう振り方をするの…! 「そう言えば、俺、次の数学当たる!百合ちゃん、この問題わかる?」 「あたしに聞いたってわかんないよぉ~。」 「人の話を聞けよ…。」 聞かなくたって返ってくる言葉は、おおよそ見当が付く。 間違いなく、朗は寂しいと言う。 昔から、そうゆう奴だ。
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