はるのとびら

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クラスが離れると1日1回は必ずからかいに来る。 高校受験の時、滑り止めに女子校を受けると言ったら異様なまでに寂しがった。 どうして、そこまでするのか…と問うと必ず返ってくる答え―――『傍にいたい』 朗は思わせぶりが上手なんだ…。 そして、私はその思わせ振りに引っ掛かってしまった女だ。 「ねえ、十萌。この問題わかるぅ?」 「どれ?」 「あたしも秋村くんも、難しくて解んないんだぁ~。ねえ~、秋村くん。」 「ねえ~。」 「‥‥。」 超簡単なんだけど…。 「どうして、こんな問題が解らないの!?」 「解んないんだから、仕方ないでしょお!ねえ!」 「そうだよねえ!百合ちゃん。十萌、そんなつんけんしてたら婚期逃すぞ?」 「そんな可愛くないこと言うなら、教えてあげないわよ。」 「「 ごめん。」」 「素直でよろしい。」 バトル終了。 勉強会が始まる。
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