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「風紀バッチ。付けておけ」
投げ渡されのは、金色の丸いバッチ。よく見れば桜庭先輩のブレザーの襟に付いてるのと同じものだ。
つまりもう、風紀委員から逃げられない、ってことですね。
死亡フラグ!!
オレは怒られる前に桜庭先輩と同じように、ブレザーの襟にバッチを付けた。
バッチと言う名の下僕の証を。
「で、あの、桜庭先輩…」
「茶」
「へ?」
「茶を煎れろ。俺が5数える間に」
下僕タイムがもう始まった訳ですか!?
て言うか、5数えるって、5秒!?
「1、2、3、4、5」
もう数え終わったんですか!?
何その鬼畜スピード!!
動こうとする前に終わったとか、いや、人間にはそれは無理じゃないでしょうか!?
「ちっ! 全く使えないな、お前は」
舌打ちが教室内に響き渡るくらい、桜庭先輩は不機嫌です。
イライラしてる桜庭先輩のために、慌てて茶を要れた。
「不味い」
一口飲んで、眉間に皺が寄ったかと思った瞬間、湯呑みをひっくり返して床にぶちまけた。
え、…えっと……?
「美味い茶も煎れられないのか、お前は。早く煎れ直せ、迅速に、今すぐ」
桜庭先輩の命令に、脳よく早く体が動く。
さっきよりキチンと分量を考えて煎れる。
「不味い。煎れ直し」
またぶちまけられる。
オレは慌てて床を拭いてから、また煎れ直す。
「不味い」
また床を拭いて……
「不味い」
………。
一体何回煎れ直したのだろうか。
むしろ、これは新たな遊びでしょうか?
「……不本意だが、まぁお前のレベルなら、これで許してやる」
ようやく桜庭先輩は、ぶちまけることなく、お茶を飲んでくれてます。
オレはもうクタクタで、床に倒れ込んだ。
オレは今、限界の壁を越えました。
「許可なく寝るな」
「うぁ!!」
頭を思い切り踏み付けられる。
桜庭先輩はやっぱり鬼だ!!
普通人間を踏み付けるなんて有り得ない、しかも頭!!
と思っていたら、踏み付けていた足が、顎にかけられて顔を無理矢理上げられる。オレ、こんな体勢初体験です。
「お前には下僕としての自覚が足りないようだな」
不機嫌そうな桜庭先輩。
いっそ、下僕ってどんなことをするんですか?
「室戸、お前は俺のために何でもすると言った。お前が生きるも死ぬのも、俺が決める。お前の命は俺の物だ」
お前の物は俺の物的な、ガキ大将よりも遥かに上を行っちゃってました。
横暴だぁー!!!!
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