神様がくれた君

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「亮ちゃん黙ってどうしたん?」 「え?」 いつの間にか下を向いて歩いていた俺は、ヒロの声に顔を上げた。 青と白のイルミネーションが眩しくて、目を細めた。 「思い出してた」 「何を?」 「この時期にこの通りで神様に誓った願い事を」 「何それ?」 ヒロは少し楽しそうな顔をした。 「亮ちゃんって神様信じてるん?」 「あの時からな?」 ヒロに告白して付き合えた瞬間に。 けれどもそれは言わないでおこう。 「どの時やねん」 「あの時はあの時や!」 あたたかなコートも、あの頃やっと憶えたギターも、土曜日も日曜日もどんな宝物も。 すべて捧げてもいい。 だからお願いだよ。 ずっと二人で歩ませて。 これからも俺のすべてにかえてヒロを守ると約束するから。 永遠に、永遠に。 -END-
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