君が好きだけど……

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今なら言葉にできるのかな? 伝えたい事がたくさんあるよ。 でも君がいなければ……いなければ……。 何にも出来ないやん? 大きめの部屋もベッドも言葉も愛も全部。 ヒロのためにあるから。 今から走って君を迎えに行くことも、歌ってと言うならギターを弾くことも。 ヒロのためならできること、数えきれない程あるけど。 「ヒロ!今どこ?ごめん、俺……」 「ごめん、やなくてっ……僕は、そない言葉やなくてっ……」 だけど愛の言葉は、それだけは、まだ言葉にしたくない。 俺が消えてしまいそうで、全部嘘になりそうで。 俺はそないキザな人間やないから。 君の事が本当に好きだから。 だから、心の底から言える時までまだ待ってて。 「ごめんっ……ヒロ」 しばらく君を泣かせるかもしれない……。 「んっ……寒い。あっ、雨かぁ」 ある雨の朝、目を覚ますと、 「ヒロ、起きろ。雨やで」 「んぅ?あめぇ?亮ちゃん送ってって……」 「どこに?」 「ヤスの家」 「お前の家、ここやろ」 横には君が眠っていた。 -END-
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