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『夢なんかなかった』
正直な気持ちやった。
ライブで言って、悲しくなったファンもいると思う。グループの復帰を願っている人たちもいるやろうけど。
僕はもう後ろを振り返りたくない。
眩しい過去もあるけど、暗闇に包まれた過去が僕を襲うから。
あの頃僕たちは空を見上げて、どんな未来を想像していたんやろう?
グループがデビューして、黄色い声援があって……。
怖いものなんて一つもなかった。僕達、汚れなき少年は静かに大人になった。
『クエスチョンと一緒に』
その話を持ちかけられたとき、正直実感や現実味がなかった。
ずっと一人でやってきたのに、また大勢と?
遠くに感じていた“グループ”という枠。けれどもすがり付いていた“グループ”という名。
そして気付いた。
いつのまにか僕は広い海に出ていた、と。
すれ違うだけの人、大切な人や仲間、離れていく人、そして愛する人。
こんなにも世界は広い。
まだまだ知らない所もたくさんある。行ったことない所も。
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