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季節が巡る時間が、きっと誰よりも長かった。
会いたい気持ちっていうのは切ない。
きっとそれは
“運命”を変えられなかったからだ。
まるに振られて、まるを遠くへ見送って1年以上が経った。
俺はずっとまるを忘れられなかった。
周りからは、
「早く忘れろ。」とか、「あんな奴と居っても幸せになんかなれなかった。」とか色んなこと言われた。
だけど、忘れられへんかった。
ずっとずっとまるを思っとった。
そんなある日、ボーっと音楽番組を見ていた。
そこに映った一人の男。
紛れもなくその人は、俺の愛しい人。
まるや…。
まるはこの番組で期待の新人アーティストとして出演していた。
俺はテレビに釘付けになって見た。
まるがテレビに出とる。
そう思うと嬉しくなった。
他の歌手が次々と歌っていった。
俺は早くまるに歌ってほしかった。CMさえも長く感じた。
遂に司会者がまるを紹介した。
ギター一本だけで歌うまる。
俺の知ってるまるやった。
だけど、あの時より歌は上手になっていた。
まるが楽しそうに伸びやかに歌っている。嬉しくて、涙が出た。
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