あの時に気づいていれば

4/4

310人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
まる、運命って産まれたとき定められた道だった? 俺はまるに出会えたことだけで、明日のふたりの希望に繋がるって考えとった。 冷たい雨が頬を濡らせばまるが泣いているように思ってしまう。 だから大きな翼でまるの所に飛んで行って話したい。 朝までそっと眠りにつくまで傍に居りたい。 そんな運命と今でも信じとるよ。 まるが好き。 あの時心の片隅ではそう分かっていた。 なのにあの時ほんまの気持ちに気づいていないフリをした。 あの時に素直に気づいていれば、こんな風にならんかった? 守るべきもの、気持ちをやっと見つけたのに、テレビで見るまるは近くに居るのに、まるを守れない…。 それから何回もテレビでまるを見るようになった。 その度にまるが一瞬する寂しそうな顔を俺は見る。 今すぐに 包み込みたい。 そう思って、願って、今日も眠りにつく。 夢にもまるが出てきて、夢と現実が交差する。 傍に居りたい。 そんな運命と信じて俺は今日も…。 -END-
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

310人が本棚に入れています
本棚に追加