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「ほんまごめん。それで俺らの関係悪なったやん。」
「そうやなぁ。」
「そのとき、訳分からんくなって、涙出たんやで?」
「ヨコらしくないなぁ。」
ちょっとバカにされたような声で言われた。
「うっさいねん。…だけど、5月くらいにお互いの仕事も落ち着いてきて、わだかまりも無くなったよな?」
「そうやね。ほんまは俺も寂しかってん。ヨコのこと少し疑ってた。俺こそごめん。」
「お互いさまやな。」
そう言ってヒナの方に顔を向けるとヒナと目が合った。
いつから俺のこと見てたんやろ?お前はいつもそうや。ずっと俺のことを見てくれる。
ヒナの瞳の奥にある小さな未来の光が輝いている。切なくて愛しくて、吸い込まれていく。
前に恋してたヒナとは今はもう別の人やね。
俺はこんなに静かに、激しくヒナを愛している。
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