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「ごめん、もう別れよう」
その言葉は聞きたなかった。
昨日までの幸せが嘘のような二人。
沈黙の俺の部屋には二人しか居らんくて、二人掛けのソファーには俺と色白の男。
あぁ君は去って行くんやな。
「な…、なんか言えや」
しばらくの沈黙に耐えきれなくなったのか、ヨコが口を開いた。
申し訳なさそうに下を向いたままのヨコに、俺は言い放った。
「何も言う事はあらへん」
「ほんま、ごめん」
「謝んなや。俺が惨めになるだけやろ」
「ごめん」
それしか言われへんのかい。ヨコはそんな奴ちゃうやろ。
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