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「すばる君!!」
ただボーッと空を見上げていた君を呼ぶ。
「ん?」
少し遠くに居る目の悪い君は、僕の方を向いて焦点を合わせようと目を細める。
僕は少し叫びながら言う。
「自分が自分でなくなりそうなら、いつでも飛ばしてよSOS。そのHAND PHONEで…。」
そう言って僕は、すばる君の手を指さした。
すばる君はくしゃっと笑って僕に近づいてきた。目の前まで来るとおもむろに座った。
「まるも座って。」
すばる君に促されて僕も地面に座る。
するとぐいっと思いきり手を引かれた。
「うわっ!?」
とっさに地面に手をつく。視界には地面とすばる君。
「じゃあ今飛ばすわ。そのHAND PHONE。」
すばる君はそう言って僕の制服に手をかけた。ひとつひとつボタンが外されていく。
僕のYシャツのボタンが全部外されて羽織っているだけになった。すばる君は僕の首に腕をまわしてキスをしてきた。
そのまま僕は流れにまかせた。
黒い髪の君が誘い、覚えてしまったABC。
君の髪で隠してた心をさぁ、開いて。君の事気づいている人がきっと居るから。ひとりじゃない感動を覚えたことないですか?
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