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「すばる君?」
Yシャツを着ながら君の名前を呼ぶ。
「なんや?」
「すーばーるー君!!」
「ふふっ。何やねん、お前。」
名前を呼び合って笑うことに意味なんていらん。
「あっ、見つけた。」
僕は空を見上げながら言った。
「何を?ん?まるは空に何かを見つけるような男やったかぁ?」
冗談っぽく笑って言うすばる君。そんなあなたを見て言う。
「明日。」
「へ?」
「明日を見つけました。」
にっこり笑ってすばる君を見た。
「まるらしいな。」
2人で笑い合う。
「また明日会いましょうね。」
僕がそう言うとすばる君は手を握ってきて
「おん。」とうなづいた。
黒い髪の君はひとつ年上なのに若い。
檸檬が弾けるような日々も、生きている気がした気持ちも、すばる君と出会ったことも、覚えたしまったABCも、見つけた明日も、17才の僕。
それがすべてだ。
-END-
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