旅立ち

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手放したくなかった。この恋は本物やった。 だけど辿り着いた答え。その答えにまだあなたは泣いてるの? 「亮ちゃん、もう泣かんとこ?」 「おん…ごめん。」 僕の気持ちは変わってしまった。 だけど変わり始める事を恐れずに生きてほしいねん。必ず亮ちゃんを待っとる幸せからその目を逸らさないで。 風のように駆け抜けてよ。一人じゃないことを忘れないで。 「亮ちゃん以上の誰かを愛せても、亮ちゃんと付き合った事、ひとつになった事も別れ際のキスも忘れへんよ。」 こんな言葉を言ってると、とめどなく思い出が溢れ出してくる。その思い出は美しすぎて僕を戸惑わせて、引き止める。 「ひろ…行かんで。」 亮ちゃんも引き止めるんやね。 「亮ちゃん、ごめん。」 それでも旅立たせて。 .
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