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「俺、最低な奴やな。俺、ヒナの願い何でも聞くから」
「はっ?いきなり何やねん?」
「最後に何でも聞く。俺、ヒナと付き合ってる時に何もしてやれんかったから」
ヨコ、そんな事言ってええんか?俺、わがままやで。
「じゃあ…キスして」
「キ…ス?」
「おん…最後にしてや」
「わかった」
そう言って隣に座ったまま俯いていたヨコが、俺の方を向いた。
そのままヨコの白い綺麗な肌が俺の顔に近づいてきた。
俺はゆっくり目を閉じる。
ヨコの手が俺の頬に優しく触れた。
それと同時に重なる唇。
2秒間だけの幸せ。
目を開けるとヨコが遠い存在に感じた。
あぁ、遠いな…。もう近づけないんやな。
そんな風に感じた。
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