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ヨコは立ち上がって無言のまま玄関に向かった。
俺の頬に流れる一筋の涙。
最後のキスは、タバコのにおいがした。
切なくて苦かった。
一人残された部屋でヨコを思う。
「ヨコ、俺、優しいやろ。キスだけにしてん」
小さく呟き、また流れる涙。
明日の今頃は、ヨコは何処に居る?誰を想っとる?
きっと俺の知らない誰かやろな…。
きっと明日の今頃には、俺は泣いとる。ヨコを想っとるよ。
いつか誰かとまた恋におちても、俺はヨコを愛したことを忘れへん。
今でもいつも俺の心には、ヨコの場所がある。いつもヨコが心に居んねん。
次は、この場所を誰の場所にすればええんやろうな?
俺のヨコへの気持ちは、今もこれからも永遠やで。
もう時間は進もうとしとるけど、忘れたくないことばかり。
苦しいけど頑張って忘れるな?
今は悲しい歌しか口ずさめへんから、新しい歌を歌えるまで思ってもええかな?
-END-
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