310人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヨコの手……あったかい」
「ヒナ、寒いん?」
「ううん。だけど、なんやヨコの温もりが気持ちええ」
なんか手を握ってるのに、握られている感覚。
お前の手もあったかいで。
「さっきの続き歌って」
「続き?えっと……僕の声が続く限り…隣でずっと愛を唄うよ……」
「分かったー!愛唄や!」
嬉しそうにしてヒナがおもいっきり手を上げたから、同時に俺の手も空中を舞う。
「お前、危ないやんけ!」
「ごめん、ごめん!」
いつもの様に笑いながら謝るヒナ。全然反省してない証拠。
「歳をとって声が枯れてー、きたらずっと、手を握るよー」
ヒナは分かったのがとても嬉しいのか、続きを勝手に歌い始めた。
こんなにも楽しい毎日。それは15年間、ヒナが側に居たから。
ただアリガトウじゃ伝えきれない。
これから先も「泣き」「笑い」「喜び」「悲しみ」を、共に分かちあい生きて行こう!
いくつもの夜を越えて、
「ヒナ、うた下手やな!」
「お互いさまや!」
俺は君と愛を唄おう。
-END-
最初のコメントを投稿しよう!