ここが俺の…

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「心配させてごめん」 「いえ、大丈夫ですけど、何かあったんですか?リハーサルの次の日になったらすっきりした顔だったんで…」 「えっ?いや、何もないで?」 「そうですか。きっと移動で疲れてただけですね!」 ヒナの笑顔を思い出した、なんて恥ずかしくて言えるか! 「あっ、止めて!」 「はい!」 俺は家まで行かないで車を止めてもらった。 「ここでええわ!」 「大丈夫ですか?」 「大丈夫やから!お疲れ様」 「お疲れ様です…」 俺は急いで荷物を持ち、車を降りた。そこにはヒナが一人でいた。 「何してんねん…」 「遅い…」 「ごめん。ってか何でここにおんの?」 「ヨコが帰って来るから、迎えにきた。ってか、寒い。手、繋いで」 「ここで?」 「ええから!」 「はいはい」 俺は差し出された手を握った。 「さぁ帰ろう」 ヒナに微笑んで、見慣れた景色。 ありふれた日常に手のひら重ね。 「ソロコンお疲れ様」 「おかげさまで成功したで」 「良かったな」 短い会話をしながら着いた家。 エレベーターに乗ってもずっと手を繋いでいた。 「久しぶりの家や!」 なんて言いながらリビングへ進む。 .
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