いつも歌わせていて

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変わっていくあなたの姿。 どんな形よりも愛しい。 この冬も越えて、もっと素敵になってね。 だけど、あまりに愛が大きすぎると、失うことを思ってしまうの。 「重い、かな?」 あぁ、自分がもどかしい。 今だけを見て生きていればいいのにね。 「あっ…」 ねえ、雪が落ちてきたよ。 少しの雪をかぶって家に着いた。 「ただいまぁ」 「おかえり。あっ!雪が付いてる!寒くない?大丈夫?」 「大丈夫やで。遅くなってごめんなぁ。すぐご飯作るから」 「うん!」 子供みたいにあまえる顔も、 「手伝おうか?」 急に男らしくなる顔も、僕にはすべてが宝物。 「ありがとう」 幾度となく見させて。 「いたっ…」 油断していたら指を切った。血が少しだけ出て指を伝った。 「大丈夫?絆創膏持ってくる」 たっちょんは急いで絆創膏を持ってきて、僕の指に貼った。 「大事な指なんやから気をつけてや」 思いきり抱き寄せられると心、あなたでよかったと歌うの。 「うん、ごめん」 たっちょんの体温が僕に送られて気持ちいい。 X'masなんていらないくらい日々が愛のかたまり。 最後の人に出逢えたよね。 -END-
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