1.

15/18
前へ
/672ページ
次へ
. 「ゆうなさんですよね?」 俺は、自分でもびっくりする程の大きな声で呼び掛けた。 「そうですけど?」 ゆうなさんは俺を見て、誰かは分からない様子で距離をおき答えた。 「俺、中村の友達で伊藤といいます。先月、楽器店でお会いしてるんですが、覚えて……」 「あーっ思い出した! 中村君と会った時に一緒だったお友達だね。」 ゆうなさんは思い出した様で、さっきより距離を縮めてくれた。 「伊藤君の学校はこの辺なの?」 「はい、この近くの高校です。ゆうなさんはなんで保育園に?」 「保育園にいたの見てたのぉ? お姉ちゃんの子供を送りに来てたの。お姉ちゃんが二人目を出産したから、動けなくて手伝いに来てて」 俺の質問に驚いたように、ゆうなさんは答えてくれた。
/672ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4065人が本棚に入れています
本棚に追加