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「そうだったんですか」
俺は返事しながら、元来た道を歩き始める。
ゆうなさんも隣を歩いている。
「でも、なんで保育園まで私のことを探しに来ようとしてたの?」
ゆうなさんの当たり前の疑問に、俺は自分の気持ちを伝えなきゃならない。
でも、さっきまでの勢いはシュルシュルとすぼんでいってしまい……
こんなことを、初めて話すゆうなさんに言ってしまっていいのか?
心の中で自問自答……
「どうしたの?」
ゆうなさんが立ち止まり、怪訝そうな顔で俺を見つめた。
「あの……
その……」
「何っ?」
ゆうなさんがハッキリしなさいよ! とばかりに、ピシッと言い放つ。
「わかりました。話します。
でも……」
「でも何?」
「ひかないで聞いてください」
「わかった! ひいたりしないから、話してみて」
ゆうなさんの眉が少し下がり、優しい表情に戻っていく。
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