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そんな沈黙を破ったのは、まなみさんで…… 「伊藤君は進路決めてるの?」 不意に聞かれた俺は、 「はい、K大に決めてます」 面接みたいにカチコチな返事をした。 「K大!?」 「はい」 「伊藤君、頭いいんだぁ!」 「はい。」 「あははっ面白い! 自分で認めちゃうんだぁ」 まなみさんの質問に、正直に答えすぎた。 まなみさんは、満面の笑顔。 「えっ?いやっ 頭いいとかは思ってないんですけど…… すみません…… まなみさんは大学で何を勉強してるんですか?」 手に汗をびっしょりかきながら、思い切って聞いてみた。 普通の質問なのに、顔が赤くなってしまうから、質問しておきながら、窓の外を流れる景色へと視線を移した。
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