4067人が本棚に入れています
本棚に追加
降りしきる雪の中で、交わした約束のキス――…
電車に乗った俺を、見送った柔らかい微笑み――…
五年前の別れとは違って、前を向き、歩き出した日々は、それまでモノクロだった生活に、鮮やかな色をつけていく。
仕事も順調で、こんなにも影響を与えるんだと、まなみさんの存在の大きさを改めて感じていた。
寒さも和らいだ3月下旬、テーブルに置かれたエアメールの中に見つけた可愛い文字。
自分の頬が緩んでいくのがわかる。
椅子に腰を下ろして、小さく深呼吸すると手紙を開けた。
2枚の便箋にしたためられた、まなみさんの気持ち。
最初のコメントを投稿しよう!