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季節外れの転校がやってきて早くも一ヶ月がたとうとしていた。
転校生はまだ資料でしか見た事が無いが、一言でいうなら黒いマリモ、だろう。
理事長の甥らしい転校生は、偏差値の高いこの学校に裏口入学してきたらしい。
そんな事したって授業についていける訳ねぇのにな。
それに問題ばかり起こしやがって風紀の仕事が増えるばかりで最近まともに寝たり食ったりしていない。
だが、書類は溜まっていくばかりだし見回りもしなくちゃならないため寝てる訳にもいかない。
今も書類をかたしていたが目が疲れてきたので、作業するときにだけかけている眼鏡を外し、眉間を揉みほぐしていた所に机にコーヒーが置かれる音がした。
コーヒーを置いた人物を見上げると、少し心配そうな顔をした副委員長の浜崎透矢 ハマサキ トオヤが俺を見ていた。
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