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「……睦葉……そいつは……?」
「えっとあの……話せば長くなるんですけど。」
説明しようとすると蘭ちゃんはハッと何かに気づいたような顔をして言いました。
「……隠し子か!?」
なんでそうなるんですか!?とにかく、蘭ちゃんから懐中電灯を取り上げてそのスイッチを切る。
「もう大丈夫ですよ。私の友達です。貴方に危害は加えませんから。」
異常な怯え方をするナナを宥める。顔を膝に埋めるようにして縮こまるナナ。
「何をしたらこんな怯えるんですか!?」
「いや……人影見つけたから懐中電灯で照らしただけなんだけど……。」
蘭ちゃんが困ったようにそう言いながらナナに歩み寄ってしゃがみ、「悪かったな」と頭をくしゃくしゃ撫でました。
「……蘭丸ちゃん、睦葉ちゃん、その子から離れてくれる?」
何故か、鋭い眼をしている麗佳さんがそう言った。
そして埋めている彼の顔をゆっくりと持ち上げ、見た。
「……なんじゃこりゃ。」
「蘭丸ちゃん、いつの間に睦葉ちゃんと子作りしてたん?」
「してねーよ。」
全員、ナナの顔を見て驚いていました。麗佳さんはしばらく唸ったあとにこう言いました。
「蘭丸ちゃんの小さい頃と顔そっくりや。もしかしたら蘭丸ちゃんのクローンかも。」
麗佳さんはそう言って立ち上がる。
「でも俺DNAとかレイジに提供した覚えはねーぞ。」
「最近の技術なら髪の毛一本や血液一滴でもあればクローンは造れる。蘭丸ちゃんがこのビルに侵入した時に残した血痕や皮膚、毛とかを回収すれば十分や。」
ツッキーは懐中電灯を取り出して、明後日の方向に向けて言った。
「なら彼が光を怖がるのは……。」
「たぶん太陽の光と同質のモノと勘違いしてるんやと思う。この怯え方やし、使うのは控えた方がいいかもね。」
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