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「蘭ちゃん、75階までいけるカードキー見つけましたよ。」
「そうか。いやでもしかし。」
蘭ちゃんは腕を組んでうーんと唸る。ナナを見て何かを考えているようです。
「一緒に連れていけないしな。75階ってのはあそこだろ?」
麗佳さん以外の三人は頷く。改造されて正気を失った人間が徘徊する魔のフロア。そんなところに丸腰の少年を連れては行けません。
「睦葉になついてるみたいだし、睦葉、お前この子1階まで連れていけ。
……ついでに、未だに連絡も無ければ追いついてすらこない貞弘も探して貰えると助かるんだが。」
「そうですね……分かりました。」
彼の安全が第一です。
「じゃあコレ。あと何かあったら電話してこい。」
「はい!」
私と蘭ちゃんはカードキーと、あと私が拾った携帯電話の番号を交換。蘭ちゃん達は行けるとこまで行くようです。
「ナナ、一階まで一緒に行きましょう?」
「う、うん。」
蘭ちゃんに酷く怯えた眼をしながら、私の腕にしがみつく。……手に当たってるんですが。アレが。
……っていうか私は何故こんなエロ親父のような事を考えているのやら。
あぁ、もう!
たかが子供のち(以下自主規制)くらい気にしてたら負けですよ!ええ!大敗です!
「じゃあ行きますよ!」
「何怒ってんだお前。」
「怒ってません、これは武者震いにも似た感じのヤツです!」
「……ま、まぁ任せるわ。」
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