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「ナナ、大丈夫です……絶対、絶対死んだりしませんから!!」
弾丸を弾き落としながら必死に説得を試みる。その間にも防ぎきれなかった弾がナナを掠めて、私の身体を喰い抉っていく。
「あがっ……はっ……!!」
腹に数発弾が命中。臓器が掻き乱され、口から血が溢れ出す。
「うっ……ううっ……うああああああ……!!」
ナナは震える叫び声をあげながらゆっくり、ゆっくりと光に手を伸ばす。震える手で少しずつ。
しかし僅かに爪が光に照らされただけで手を引っ込めてしまう。
「ナナ……お願いします……!!早くッ……早くッ!!」
もう……限界が……!!
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
ナナは気が狂ったような叫び声をあげながら、操作盤に手を伸ばした。
震える手がゆっくりと操作盤に伸びていく。月の光に照らされた手が、びくびくと震える。
そして彼は月の光に照らされた手を何度も握ったり広げたりして、安心したのか操作盤に触れた。
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