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1階、また1階と下降を続けるエレベーター。そして内臓が浮くような感覚が、チンという軽やかな音と共に、終わりを告げる。
それと同時に私はナナを抱き抱えてエレベーターから脱出。
「はッ……はッ……あぐッ……!?」
激痛で震える膝が耐えかねて崩れ落ちる。何発か腹や太股に弾を食らったせいでまともに動くのが辛い。
隣のエレベーターからチンという先ほどと同じような音が聞こえました。あの銃の塊みたいな駆動兵器も私達を追いかけてこの階に……。
「ナナ、退がってください……。」
ナナを庇うように腕を広げ、片手にパイルバンカーを持ち、備える。
エレベーターから出てきた瞬間を狙い、一撃で沈める……それしかありません。
床に強く足を踏み立てる。歯を食いしばって激痛を呑み込む。
気合いです、気合いで世の中どんな事でもどうにかなるもんです。
「……何やってんでい。」
「え?」
背後から聞こえた聞き覚えのある声に、私は思わず振り返ってしまいました。
しかしながらそこにはナナしかいませんでした。
次に前方から甲高い鮮やかな金属音が聞こえ、そちらの方へ目をやると、ボロボロの貞弘が駆動兵器を叩き斬っていました。
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