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「サダっ……!」
「退がってろィ。」
貞弘は右上から左下に袈裟に振り下ろして無数に生える銃身を斬り落とす。さらにそこから素早く逆袈裟斬りを繰り出し、また別の銃身を斬り落とす。
駆動兵器に張り付くように立ち回る貞弘。まさに無用の長物。機体から伸びる無数の銃身は貞弘を捉えることなく全て斬り落とされた。
「……睦葉、大丈夫か?」
「……ええ、これくらいへっちゃらです。」
腹からどくどくと流れ出す血を手で抑えて、心配そうに見つめるナナに笑顔を返す。
まぁ……この程度の傷なら、多少身体が丈夫な私なら大丈夫ですね。致命傷ではありません。ただ、戦えるってほど動ける訳じゃありませんけど……。
「……サダ、大丈夫ですか?」
「テメェにそれを聞かれるとは思わなかったぜィ。」
サダが手を伸ばす。私はその手を掴んで立ち上がる。さぁ、ナナを連れて脱出しないと。
「……ガラス全部割れてんじゃねぇか……。」
「さっさと乗ってくださいよ。」
唇を青くして震えるサダをエレベーターに押し込み、再び私達は下降を続けた。
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