蛍の灯

五話[初仕事]

そんな何処からともなく
発せられた声に振り返る。

「…山崎殿」

「迎えに来たで～♪」

にこやかな笑顔を浮かべ
猫を抱っこしていた。

「…小花」

「あ…あの子が小花ですか」

「じゃあ帰ろうか～晩飯の用意もあるし～」

山崎は小花を斎藤に抱かせ
嬉しそうな斎藤の隣で
複雑な顔の蛍が居た。