ん、誰か来たね。

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 いやはや、三日間とは長いようで短いようで。遥か昔の先人はこう言ったことを『光陰矢のごとし』と言ったそうだが、それについて君はどう思う? ……おっと。どうせ自販機で何か買うなら僕の分も頼むよ。ほら、ちゃんと120円も出すから。  君は何に? 僕は、そうだな…………君のセンスに任せよう。  はい。ありがとう。手渡しでなくて、放り投げてくれて構わないよ。  ……………………………うん。確かに僕は君に任せた。正確には『君のセンス』だけど、詰まる所君に任せたわけだ。  で、なんでお汁粉なんだい?  君は僕を殺したいのか?  クーラーもない無人駅。八月のお盆。  これはもう明確な殺意と周到な意思がなせる技なんじゃないかな。いや。でも飲むさ。だって勿体ないだろう?  うん。暑ささえなんとかなればこれはこれでオツな味かもしれないね。変な言い方だけど、お婆ちゃんになった気分だ。  そう言えば、暑い日には温かい飲み物を飲む方が健康にはいいらしいよ? 僕は温かいお汁粉。君は胃や腸が収縮しそうなくらいに冷たい炭酸。  まぁ、君の胃が縮もうがふやけようが僕の知ったことじゃないけどね。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!