ん、誰か来たね。

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 僕は……そりゃ分かるに決まっているじゃないか。寧ろ、分からなかった君の気が知れないよ。  で。受験生になる来年も、君は帰省するのかい?  『しない』なんて腑抜けた答えを僕は言わせないね。それは逃げであり彼女の気持ちを踏みにじることになるからだ。  『愛しい人を待って幾億もの季節が過ぎる。それでも私は貴方を待ちましょう』なんて、健気で切ない想いをかつての女流詩人は和歌に込めたものだけど、君たち男子はまるで事の重大さが分かっていないと見える。告白の返事を待つ女子の気持ちが如何なるものか、一度身をもって思い知ればいい。  話が逸れたね。  それで? 君は勿論帰省するのだろう?  うん、素晴らしく清々しい返事だ。それを聞いて安心したよ。  僕かい?  僕だって勿論君とセットで帰省するさ。嗚呼安心してほしい。彼女に誤解を与えないように話すし、どうやら僕も恋バナとか噂話が大好きらしい。  だから、僕を楽しませるためにも頑張ってほしいんだ。  …………え? 『そんなんだから男も寄り付かねぇよ』だって?  ……ふむ、それは困ったな。  なんとか、改善することを試みてみるよ。                  了
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