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「瓶……」
砕牙はキョロキョロと周りを見回す。
「!
あれか」
砕牙はテーブルの上にある瓶に気付いた。
僕も目を向ける。
その瓶には……
『私を飲んでね』
と書いてあった。
「……何これ、おちょくってんの?
割っていい?この瓶割っていい?」
「駄目だ
不思議の国では重要なアイテムだぞ」
砕牙は瓶の蓋を開け、飲み込んだ。
「って!!
少しは迷えよ!!
毒とかだったらどうすんの!?
警戒心もとうよ!!!」
僕が怒鳴った直後、砕牙は小さくなった。
「おお、翔が巨人だ」
「砕牙が手の平サイズになったー!!」
僕はヒョイと砕牙を持ち上げる。
「ちょっどうすんの!?」
「これで通してくれんだろ?ドアノブ」
砕牙の言葉にドアノブはニヤリと笑った。
『駄目なんだなあ
鍵がかかっているのさ
テーブルの上に鍵があるよ』
砕牙は僕の手の上から飛び降り、ドアノブを掴む。
「おちょくってんのかゴラ
引きちぎんぞ」
『ごっごめんなさい……」
「砕牙、砕牙
僕が取れるから落ち着いて」
僕は机の上にあった鍵を手に取る。
「砕牙ー鍵……」
下に居る砕牙に目を向けたら……
クッキーを食べていた。
「……砕牙?何食べてるの?というか何処にあったの?」
「クッキー
机の下の箱」
しゃがんで下を見れば箱があり、こう書いてあった。
『私を食べてね』
グシャッ!
「翔!?」
「ごめん。なんかムカついて踏み潰しちゃった」
僕は普通に笑ったつもりだったけど、何か砕牙もドアノブも何か引いてるっていうか、怯えてる?
あれー?
「クッキーうまいのに……」
砕牙はクッキーを完食した。
だが、直後。
「え……?」
砕牙の体がもとに戻ったかと思ったら、更に大きくなった。
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