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僕達は薬を飲んで小さくなった状態で、ドアノブの横に空いた穴から海岸に出た。
そこで……おかしな光景を目にした。
何か鳥らしき物が歌い、その周りを海老やらヒトデやらが走っていた。
『回れ、まわあれ
ぐるぐる回れば体も乾くよ
そうら、ぐるぐる……』
「いやっ!魚介の諸君は乾いたら死ぬから!!
ってか何やってんの!?」
「翔!
お前も参加しろ」
「何にだよ!!
ってかお前は何で魚介達と一緒になって鳥の周りを走ってるんだよ!!」
砕牙は何故か魚介に混じって鳥の周りを真顔で走っている。
僕にはふざけてるようにしか見えないけど、恐らくあいつはいたって大真面目なんだと思う。
「童話ではアリスもこうやって一緒に走っていたんだ」
「それに何の意味があるの!?
必要性一切感じないよ!?
疲れるだけでしょ!!」
「だが、こうやって走っていた時、白兎が現れるんだ」
「お前ほんと凄い読み込んでるね!
暗記してんの!?」
「ああ」
「マジかよ!!」
そんな話をしていた時、どこからか白兎が現れた。
「どっから現れた!?」
「ほら、現れた」
「いや、ほらじゃなくて!どうやってここに現れたのかに疑問もとうよ!」
『遅刻だ、遅刻だ』
白兎はそんなことを言いながら兎が走って行った。
「翔!追いかけるぞ!」
「あー……もう……」
白兎の後を追いかける砕牙を翔も追いかけた。
白兎が森に入った為、二人共も森に入る。
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