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まあそんな訳で、砕牙は妹を果てしなく大事にしてて更に……
「なあ、翔」
「ん?」
「不思議の国ってどうやったら行けるんだ?」
真顔で聞いてくる砕牙。
ちなみにこれ、冗談じゃない。
いたって真面目だ。
付き合いをして分かった。
砕牙は天然だ。
「……砕牙、悪いが俺も知らない」
「そうか……
誰なら知ってると思う?」
「いや……
誰も知らないと思うから諦めた方がいいと思う」
「でもな……
皐月がどうしても不思議の国に行きたいって言ってな……
叶えてやりたいんだが……」
「無理なこともあるってちゃんと教えとかないと、将来わがままになるぞ」
「でも……そのわがままも可愛いと言うか……」
「無理な物は無理!
いいか?他の人に問いかけたりするなよ?
以前もガラスの靴って売ってますか?って店員さんに聞いてただろ」
「ああ、それでお前が来て連行されたな
『ガラスの靴なんて売ってないんだから真顔で店員さん困らせるな!!』
って怒られた
で、そういうのが欲しいとかあったらお前に相談しろって
だから今相談した」
「でも、不思議の国に行くのは無理!」
「喋る兎追いかければいいのか?」
「お前話聞け!!
喋る兎もいないから!!
潔く諦めろ!!」
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