時計兎

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だが、不意に体が浮かぶような感覚に襲われる。 何だろう……と思い、そっと目を開けると、目の前にテーブルが浮いていた。 「テーブル……?」 ふと周りを見回すといすもランプも本棚も宙に浮かんでいた。 「メールヘン……」 何かもう思考回路がおかしくなりそう…… その時 「翔!本の通りだ!もしや俺達はすでに不思議の国に迷い込んだんじゃないのか!?」 「なんかお前楽しそうだな!! 本当はお前自分が不思議の国に行きたかったんじゃないのか!?」 「行ってみたいとは思った「正直すぎだよ!ちょっと否定とかしろよ!つまんないだろ!」 「何故否定する?」 「あーもう 分かった、ごめん 僕が多分きっと悪かった」 「いきなりどうしたんだ……」 「ってか、周りの物は浮いてるのに僕達は落ちてるね 生き物は落ちる仕組みになってるのかな?」 「良く分からないが、そうなのかも知れないな」 二人は床に足を着く。 「ってか僕らたぶんマンホールに落ちたんだけど…… 上……」 僕は上を見上げてみるが…… 「光が見えない……」 脱出口が分からない。 「兎は……」 砕牙がキョロキョロし始める。 「まだ追いかける気満々なの!? 上に戻れるかも分かんないのに!」 「分からないのなら突き進むしかないだろう」 砕牙は真顔だ。 僕はハア……とため息をついた。 「もういいよ 砕牙に付き合う」 「よし。! 兎だ!」 僕らはドアを潜り抜けようとしている兎を見つけ、追いかけた。
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