高校三年生の少女の場合

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 ある一人の少女がいた。母、父、兄の四人家族。 少女は高校三年生。クラスにはたくさん友達がいた。 美容師になる夢を持っていた少女は、卒業後、美容専門学校に進むと決めていた。  ある日いつものように授業を終え、終礼後友達のところへ行くと、彼女達はいつもとは違う雰囲気で、何かを話しているようだった。 「帰ろう」、と言うと、またいつもの彼女達に戻った。  帰宅すると、兄が自分の部屋から出てきたように思われた。 「あれお兄ちゃん、私の部屋、入った?」 と尋ねると、兄は「入ってない」と答えた。  その日は珍しく父の帰宅も早く、四人揃って食卓についた。  父は兄に大学でうまくいっているか聞いたり、母に庭の掃除のことを相談したりし、少女には、「専門学校だからって気を抜くな」と言った。 別に少女の成績が下がったわけでもなかったのに、父はいつもより厳しく言った。  なんだか、違う家で食事している気分になった。  いつもはテレビやケータイで夜更かしをする少女だが、何故かその晩は早く眠ってしまいたかった。
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