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翌日、学校に行くと、友達が集まって何かを書いていた。
「おはよー、何書いてんの?」
少女が近寄ると、一人が紙を隠し、「何でもないよー」と笑った。
その後は、いつもと変わらなかった。
放課後は、友達のうちの一人と、本屋に行く予定だったが、友達は手を合わせ、「ごめん、今日、みんなで行くとこあるの!」と断った。
少女は仕方なく、一人で本屋へ行った。
家へ帰り、ベッドに寝転ぶと、急にだるくなってきた。
「明日休もっかなぁ…」しかし、父の顔と食卓で言われた言葉がよみがえった。
少し人間関係がうまくいかないくらいで、ここまで落ち込むのは初めてだった。 少女は次の日、暗い気持ちで登校した。友達は、何も変わった様子もなく、いつものように過ごしていた。
お昼ごはんを食べた後の体育で、少女は気持ち悪くなって、早退することにした。カバンを友達が持ってくれた。
本当は迎えに来てもらいたかったけれど、父は仕事で、母は用事があるから、ということなので、バスで帰った。
家へ帰り、少女は入浴と着替えを済ませると、夕食のインスタントラーメンを食べ、寝た。
少女は、翌日、母に頼んで学校を休んだ。学校に行く気が全くしなかった。
少女は浅い眠りの中で誰もいない家で1日を過ごした。
母が帰ってきた。
「具合どう?」
温かいお粥とお茶を持ってきてくれた。薬を飲ませると、食器を持って母は出ていった。
しばらくして、階下からにぎやかな声が聞こえてきた。
「みんなの声だ…」
母、父、兄の、楽しそうな団欒の声だった。
ふと思いついて、少女はクラスの友達にメールを打った。
『今週末、遊ばない?』週末の土曜日は、少女の誕生日だった。
まさか、私の誕生日を忘れてはいないだろう…
返信がきた。
『わかった~またメールするね』
薄っぺらな、空っぽな返事だった。
少女は二階で、息を押し殺して咽び泣いた。
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