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私がもしもし、と当たり前のことを言った。
当たり前の中に隠された期待に彼は気がついたのか少しの間沈黙が通った。
「えっと……もしもし?」
私はもう一度聞き直すと、拓也は今日の電話で初めの言葉をだした。
<<別れよう>>
「は?」
私はいきなり言われた言葉に気の抜けた返事しか返せなかった。
それでも数秒たって拓也の言葉を理解した瞬間、たった四文字の言葉は鉛に変わり、私の心臓にのし掛かった。
「嫌だっ!!なんで!?」
無我夢中で私は携帯に叫んだ。
手に持つ携帯は私の手汗でべたつく。
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