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改めて最初のページを開くと、そこには、
『記憶書の扱い方につき』
とやけに古めかしく書かれていた(もちろん読んだのは日本語)。
ちなみに英語では記憶書=メモライズ・マインドライティングと表記されている。
「なになに?えーと……
『白黒二冊常に共に在り。此れに於いて白銀の書の詳細を知れ』と。
白銀の書……ってまさかこの白いやつか?」
なんじゃそりゃ!と優弥は心の中で盛大に突っ込んだが、ともかく今の説明に従ってみたら何か進展があるかもしれないと思い、すぐさま白い本を開いて机上に置いた。
しかし、膨らむ好奇心のせいか無意識内でも焦ってしまったようで。
「……痛っ!?」
優弥は雑紙で小さく指を切ってしまった。
しかも、思ったより傷が深かったようで止血するより早く血がにじんできた。
慌ててティッシュで指を覆ったが間に合わず、ポタリ……と静かな音を立て、白表紙の本の開いたページに彼の血の雫が一滴落ちてしまった。
「やばい、とりあえず拭かないと……!」
さらに焦った優弥がそう呟いて、染みを少しでもとろうとティッシュを近づけたその時、何の前触れもなく突如白い本が光りだした。
その色、まごうことなき白銀の美しい光。
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