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「うわ、なんだ……っ!?」
眩しい光に思わず両手で目を庇い気押されながらも本を凝視する。
そこで優弥が見たのは、自分の血が素早くページ上を走り、模様に変化していく様子だった。
訳がわからず優弥が茫然としている間も、血は赤く鮮やかで複雑な模様を自らのそれで描き出す。
あっという間に最後の円を描き終わると、優弥にもわかるそれは魔法陣―――のようなルーレットに変化した。
ちなみになぜか針は浮いている。
「なぜここで3Dルーレット……!
この場合はふつう魔法陣という流れじゃあないのか!?」
この状況下でも思わず突っ込みを入れてしまうあたり、優弥は相当肝が据わっていると言えよう。
そうこうしているうちにルーレットは回り始めた。
そして程なくして減速し、ある一つを指し示して止まると本は一段と輝いた。
眩しさに目を閉じた彼は急に足場が不安定になるのを感じ、しかしすぐに意識が遠くなる。
そして大きな光が収まると、すでにそこに本と優弥の姿はなく……ただ夕風が穏やかに流れているだけであった。
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