純愛歌

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やがて、木々の向こうに街の灯りが見え始めた。 果ての無い森のように思えていたのに、とても早く着いたような気がする。 「此処からなら、街まで行けるな?」 足を止めた青年に尋ねられ、急いで頭を下げる。 「あっ、はい。ご親切に有り難うございました」 すると、真紅の瞳にじっと見詰められた。 それだけで、不思議な程に胸が高鳴る。 綺麗な赤い色から、目を逸らせない。
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