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ジェイドとネフライト
炎龍のナンバー2、ジェイドは木龍のナンバー2、ネフライトに連れられて密林地帯へ来ていた。
鬱蒼と生い茂る木々や草花。倒木の脇、岩の下にひっそりと生える茸類。
他の木龍が切り出したのか、所々に切り株が目立つ。
拓けた場所で二匹は、切り株を椅子代わりに小休止をしていた。
「もう、五年ぐらいは経つか」
香辛料が効いたこんがり肉を食べながら、ジェイドが物思いに更ける。
ネフライトは自分の火炎で肉を焼きつつ耳を傾ける。
「焼けたー」
ジェイドは珈琲の入ったビンを渡す。
今は仲良く散歩している二匹だが、昔は他の真龍も交えて、学校の成績を競ったりしていた。
陰湿な嫌がらせにあからさまな挑発、顔を会わせる度に繰り返す毎日。
しかし、木龍のネフライトだけは、他の真龍達に遠慮している節が伺えた。
それは当然のことでもある。
比較的歴史が浅い樹属性の真龍は、炎や水等の属性より能力値は下。
生物の最終形態として戦闘技術の応用力は有っても、実戦経験は圧倒的に少ない。
それが劣等感となり、他の真龍達とは一歩、線を引いて接するようになった。
それが他の真龍達の癪に触ってしまう。
同じ真龍として認めているのに、どうして消極的な態度でいるのか理解出来ない。
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