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炎龍のナンバー2、火龍ことジェイドは胸を撫で下ろす。
「姉弟なんだから仲良くしろよ」
「はいー、わかったよお義兄ちゃんー」
「何故義兄?いや、弟の義兄ってことは分かるが、俺達は別に彼氏彼女の仲では無いぞ」
「だよねー、あくまでも仕事の同僚ー、みたいな関係だもんねー」
屈託無く笑うネフライト。
「そうそう。他にも相棒とか相方とかでも、俺は構わないけどな!」
首肯して微笑む火龍。
でも何処か寂しげに見える。
少し離れたところでこんがり魚を食べながら、ネフライトの父母が弟へ言い聞かせている。
「優樹、観てごらん。アレが片思いという奴だ」
「ネフライトはまだ花より団子なのね。まぁ、変な男の子を連れてこないだけいいけど」
二匹共、優樹にああはなるなと言いたいらしい。
姉を反面教師に、弟は成長していく。
「これは、喫茶店鯉のぼりのマスターに送るぞ」
熊の肩から切り離された腕をポーチにしまう。
代わりに熔岩の灯を炉に垂らす。
「流石に暑いー」
「流風晶と氷結石を配置しろよ」
窓辺に置くと涼しい風が部屋に漂う。
準備が整ったところで、肉や魚、山菜を網に載せていく。
楽しく美味しい昼食の始まりだ。
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