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「ぅ、うっ……ぐ、ふ……」
視界が霞んで、膝が笑い、ぶるっと体が震えた時だ
――ッツプ……!
その音と同時に、俺の中での何かが途切れた。
体全身に熱が行き渡る感覚。
「ふ……ぁ……あ、あ……」
震えはまだ止まらず、水音がやけに耳障りだ。
羞恥や悔しさやその他いろいろで、俺は軽く放心状態に陥る。
「すげーでたな。我慢なんかするから……」
「い……いかれてんじゃ……ねー」
勝手に涙が零れる。
そんな俺に笹原は唇を押し付けた。
血の味がする。
「篠岡の血、甘いかも」
唇を離すとすぐに首筋に吸い付く。
さっきの音は、笹原が首を噛む音だったのか。
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