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休日。 普段出掛けることが滅多にない笹原とずっと家にいるのは 正直いろんな意味で危険なので、休みの日は決まって近くの公園へ出掛けた。 別に何かをするわけでもなく、ただ1日をそこでぼーっとのんびり過ごす。 それが俺にとっては大切な時間でもあった。 俺がいつものベンチに座っていると、見慣れた顔をした一人の男が犬の散歩で公園にやって来る。 そいつは何気なく俺の横に座って、にこ、と人懐っこそうな笑顔を向けた。 「こんにちは」 「こんにちは……」 挨拶をされて少し緊張しながら返すと、やはりそいつはにこにこしながら、ベンチの手すりに犬のリードを軽く結んだ。 「丸、ちょっといい子にしててね」
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