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たしかに時間ギリギリというのもあるが、それだけではない。
笹原がここにいるからだ。
笹原と関わろうとする奴はまずいない。
擦れ違うことすら避けるほどだ。
それほどこの男が危険であるということは誰でも知っている。
「俺もトイレいこ」
「はぁ……!?ちょっ」
笹原はそう言うと、俺の腕を半ば強引に掴みトイレへ引きずり込む。
――キーンコーン…………
チャイムが鳴り出した。
俺は腕を振りながら笹原に訴える。
「チャイム鳴った……!戻る……っ離せよ!」
「何言ってんの?」
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